概要: 現代のWebアプリやスマホアプリが、当たり前のようにサーバーと通信している仕組み「REST API」の構造と、その歴史的背景に迫ります。
私たちが毎日使っているスマホアプリやWebサービスは、常に裏側でサーバーとデータのやり取りをしています。第1回で登場した「JSON(データの入った段ボール箱)」を、サーバーと正しく受け渡しするための世界共通のルール、それが「REST API(レスト・エーピーアイ)」です。
今回は、この通信インフラがどのように生まれ、どんな美しい構造を持っているのかを解剖していきます。
2.1 REST APIとは?:2000年、フィールディング博士の予言
REST APIは、ある日突然生まれたわけではありません。2000年に、HTTPの基礎を作ったロイ・フィールディング博士の論文から生まれた「通信の交通ルール(設計思想)」です。
当時、無秩序になりがちだったインターネット上の通信に対して、博士は「こういうルールで通信を設計すれば、世界中のシステムがシンプルに連携できるはずだ」という明確なビジョン(予言)を打ち出しました。これが現代のWebを支える大黒柱となっています。
2.2 REST APIの美しい4大コア構造
REST APIがこれほどまでに普及した理由は、そのシンプルで美しい設計にあります。通信は以下の4つのコア構造で成り立っています。構造パーツ役割と意味① エンドポイント(URL)データの「住所」です。ここでは必ず名詞で指定するルールがあります。② HTTPメソッド(動詞)データへの命令です。GET = 読み込み、POST = 新規登録、PUT = 更新、DELETE = 削除 を表します。③ リクエスト(Request)こちらから送る通信です。ヘッダー(送り状)とボディ(JSONの荷物)で構成されます。④ レスポンス(Response)サーバーから返ってくる結果です。3桁のステータスコード(200 OK / 201 Created / 404 Not Found)と、返ってきたデータが含まれます。URL(名詞)に対して、HTTPメソッド(動詞)をぶつける。このシンプルな組み合わせだけで、世の中のあらゆるデータ操作を実現しているのがREST APIの凄さです。
2.3 【歴史コラム】XMLとSOAPはどこへ行ったのか?
ここで少し、データ通信の歴史を振り返ってみましょう。
現在、APIの通信データ形式といえばJSONが圧倒的ですが、2000年代前半の王者は「XML」と「SOAP」という技術でした。彼らがなぜ現代の表舞台から引退したのかご存知でしょうか?
引退の理由: XMLはタグが多く、その「重さ・冗長律」が、スマホ時代の軽量化ニーズ(JSON)に敗北したためです。
現在の活躍場所: しかし、完全に消えたわけではありません。現在も銀行・金融機関やレガシーな大企業間通信(EDI)の裏側では、その厳格なルールによる絶対の信頼性をもって生き残っています。
身軽で柔軟なJSONが時代の寵児となった裏には、スマートフォンの普及による「いかに通信量を減らして高速化するか」という切実なニーズがあったのです。
2.4 XMLとJSONの構造的本質
見た目も歴史も違うXMLとJSONですが、実は根っこにある本質は全く同じです。
どちらも、「データベースのテーブルデータをネットで送るためにテキスト化したもの」という同じ魂を持っています。
表現方法(文法)が違うだけで、「データを整理して相手に届ける」という目的においては、兄弟のような存在だと言えます。
次回の【第3ページ】では、今回通信で運ばれたデータをどこにしまうのか。データストア(保管庫)の選び方と高度な抽出テクニックについて、GoogleスプレッドシートやGASの裏技を交えながら解説していきます!